2018/11/19
“聞こえ”は意識にも生活にも直結する感覚です。
それだけに、難聴・耳鳴りに悩まされるかたの苦痛と不安は非常に大きいものと想像できます。
このページでは、津市久居のじねん堂はり灸治療院で注力している突発性難聴への鍼灸治療について、詳しくお伝えできればと思います。
■目次 (1)データに裏付けられた根拠あるメソッドを採用しているから (2)鍼灸の効果を補完・増強する革新的な技術を導入しているから
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突発性難聴とは、突然に発症する高度の感音性難聴のうち原因不明のものをいいます。
厚生労働省による2012 年の調査では、年間の発症者数が人口10万人当たり60.9人と推定されています。津市の人口が約28万人ですから、津市では毎年170人のかたが突発性難聴を発症していることになります。
また、突発性難聴には聴力低下以外の症状もつきものです。 80~90%が耳鳴りを自覚するほか、めまい(回転性および動揺性)、閉塞感(耳の詰まった感じ)、補充現象(子供の泣き声、金属音、テレビの音、車の走る音が響いて聞こえる)、自声強調(自分の声が耳に響いたり変に聞こえたりする )など、日常生活を送る上で大きな苦痛を強いられることも少なくありません。
突発性難聴は診断基準に“原因不明”の文言がある通り、一つの原因から発症するのではなく、ウイルス感染、循環障害、自己免疫など、様々な要因から発症するものと考えられ、仮説が唱えられています。
難病情報センター「難治性聴覚障害に関する調査研究班」の報告によれば、病院における治療において通常は、血管拡張薬・代謝改善薬・ビタミン製剤・副腎皮質ステロイドが使用され(内服、全身投与、鼓室内投与)、高気圧酸素療法・星状神経節ブロックも施行されているものの、確立された治療法は存在しないというのが現状のようです。
予後についてですが、全体の30~65%は自然回復の可能性があります。
しかしそれは発症後2週間以内に起こると考えられていて、2~3か月以上経過して残存する聴力障碍については自然回復を期待できないと考えられています。
治療の結果治癒に至るのは3分の1程度とも言われ、西洋医学的にも難しい疾患であると言えます。
突発性難聴は鍼灸の効果が期待できる疾患のひとつです。
いくつかある聴力低下以外の症状のうち1つ以上が鍼灸治療後に軽減あるいは消失することも経験しています。
特に発症から治療開始までの期間が短いほど、改善方向に進みやすい傾向にあります。
しかし、鍼灸に掛る大抵のかたは、病院における一定期間の治療を終了してなお症状が残っている状態で、しかも鍼灸に掛ることを十分に悩んでからの来院が多い印象です。発症から数か月経過している場合もあります。
長い期間が経過すると改善が難しくなってしまいますので、鍼灸師としては、なるべく早く来院していただきたい気持ちです。
もちろん、なかには数ヶ月経過していても改善にむかったり、治療し始めてから数ヶ月間にわたって改善が続く事例の報告もあります。
いわゆる症状固定に至る期間には一般的に認識されているよりも広い幅で個人差があるのかもしれません。
ですから、発症からある程度時間が経過していたとしても、治療を受けてみる価値はあるとも考えられます。
ここでは突発性難聴治療の実際として、口コミサイトに寄せられた患者様の声と、治験例とをお示しします。
患者様の声
■治療直後に耳鳴り軽減→聴力改善
50代 男性
聴こえなくなって1ヶ月。知人の紹介で受診。
実はじねんさんにかかる前に他の鍼灸院でも治療を受けていたが全く改善せず、しかも同じ機械を使っていたので正直ダメかと思ったのだが、治療を受けて本当に驚くことになった。
聞こえは変わらないながら、耳鳴りが明らかに小さくなっていたのだ。
聞こえの方は現在、元通りとはいかないまでも普通に生活する分には許容範囲のところまで回復している。
そろそろ症状固定らしいが、踏ん切りがつくまで通わせていただく予定だ。
このレポを読んでいる人に言いたいのは、『物は使いよう』ということだ。
同じ機械を使っていても、効果を出せるかどうかは使う者の腕にかかっている。
その点で、じねんさんはよく勉強していらっしゃると思えた。
実際、機械を当てる場所も針を打つ場所も他所とは違っていた。
突発性難聴になってしまったら、じねんさんをオススメする。(口コミサイトから転載)
※コメントはあくまで個人の感想であり、全てのかたに同様の施術効果を保証するものではありません。
治療の実例
■良好な経過を示した直近の1例
患者 30代 女性
症状
X月X日。昼食後に食器を洗っていたら、左耳に詰まった感じがしてきた。
以前耳鳴りの前兆現象として耳の詰まった感じを経験していたが、その時は無治療で治まったので今回も放置した。
翌朝、起床したら右耳が聞こえにくくなっていた。耳鳴りもあるが、両耳にある気もするし、左耳な気もした。
さらに翌日、耳鼻科を受診し、突発性難聴との診断を受けた。ステロイドを処方され、服用している。
発症から9日後にじねん堂へ来院。
治療内容・経過
手足のツボや肩・背中の凝りに鍼をし、首や耳周囲のポイントにはスーパーライザーを照射。
1回目の治療直後は変化を感じなかったが、帰宅したら耳鳴りが半分程度になっていた。
5日に1回の頻度で治療を行い、1クール(5回)の治療終了後も改善傾向が続いていたので、頻度を保ったまま10回の治療を行った。
患者本人の自覚として、十分回復したとのことで治療終了。
メモ
発症から9日後と、早い時期での治療開始となった事例。
頻度を保ったまま10回の治療を重ねることができたことも、回復を助ける要因となったのではないかと考えています。
※こちらは比較的良好な経過をたどった一例です。すべてのかたが同じように改善するわけではないことをご承知おきください。
■長期間の施術を行った1例
患者 40代 女性
症状
X月X日。朝起きると右耳が全く聞こえなくなっていた。その日のうちに耳鼻科を受診し、突発性難聴の診断を受ける。ステロイドとビタミン剤を処方された。
翌日、高架下にいるような「ゴーッ」という耳鳴りと、強いめまいを自覚した。
2週間の治療によって少し聞こえが良くなった気がする。
病院では、検査結果を見て、「最初と変わっていない。」と言われた。
インターネットでいろいろ調べ、星状神経節ブロックが効くらしいと知ったが、喉に注射をするのが怖くて迷っているうちに時間が経ってしまった。スーパーライザーによる星状神経節近傍照射なら痛くないようなので、施術を受けられる施設を探していたらじねん堂を見つけたとのこと。
来院時は発症から20日が経過していた。
耳鳴りは「キーン」という高い音に変わっている。
耳の中に常に何かが入っているような違和感がある。
治療内容・経過
手足のツボに鍼をし、首や耳周囲のポイントにはスーパーライザーを照射。頚肩部の筋緊張が極めて高かったので、それを緩めることを目的に遠隔部のツボと局所への刺激を行った。
週2回の頻度で1クール(5回)終了後の聴力測定では、2000Hzのみが80dB(治療前は測定限界以下)に改善したものの、他の周波数に変化が無く、耳鳴り・異物感も変わらなかった。
2000Hzに関しても誤差程度の変化ではあるので治療の終了も検討されたが、「耳以外の身体全体は調子が良い。肩こりはかなりマシ。」とのことで、頻度を保ったまま施術を継続した。
8回目の施術後、耳鳴りが減弱し、電話の声も若干聞き取れるようになってきたとのこと。
3クール目からは仕事の都合で週に1回、4クール目は1ないし2週間に1回の来院となった。
20・21回目の施術以降は、「ある程度聞こえるようになってきたけど、そこから進まない。」状態となり、測定上も変化が見られなくなったため、症状固定とみて終了した。
メモ
部分的ではありますが、発症から5か月近く(鍼灸治療の期間はおよそ4か月)にわたって緩やかな回復傾向が続き、高度難聴が軽度~中等度にまで回復した事例です。
1クール終了時点ではオージオグラム上ではわずかな変化しか見られず、患者の体感も無かったことを考えると、1クールの治療回数が5回という設定では少なすぎるパターンもあるのかもしれません。今後さらに症例を集め、検討したいと思います。
※こちらは比較的良好な経過をたどった一例です。すべてのかたが同じように改善するわけではないことをご承知おきください。
突発性難聴治療ならば、津市で数ある鍼灸院の中でもじねん堂をお選びいただきたい。
その理由は、次の3点に集約されます。
(1)データに裏付けられた根拠あるメソッドを採用しているから
じねん堂で行っている突発性難聴治療は、弊院が独自に開発したものではありません。
自律神経症状に対するアプローチに関しては独自のノウハウ(各手法の組み合わせ)がありますが、突発性難聴の治療には手を付けていなかったのが正直なところです。
とはいえ、ご安心ください。
じねん堂が採用しているメソッドは膨大な治験とデータ集積に裏付けられた実績ある治療院のものであり、施術者は当該鍼灸院で指導を受けて同等の施術ができるようになっています。
達人・名人の類から直接の指導を受けてもなかなか同じような効果が出せないところが技芸である鍼灸の難しいところと言われていますが、“裏付け”のあるメソッドの強みは、センスや熟練の指頭感覚による職人芸と違って、やり方を知れば誰が行っても同じ効果が出せることです(再現性)。
鍼を刺し入れる場所・深さ・方向を理解できれば、学んだ翌日からでも良好な治療結果を得ることが可能なのです。
実績ある鍼灸院の施術を再現できるじねん堂の突発性難聴治療を、ぜひご検討ください。
(2)鍼灸の効果を補完・増強する革新的な技術を導入しているから
鍼灸に期待できる効果には、自律神経機能の調整と、遠隔部・局所の血流改善が挙げられます。
遠隔部への作用ならば、手足の経穴(ツボ)に鍼をして自律神経の反射を起こし、機能を整えたり、内耳周辺の血流を促したりといったものが挙げられます。
一方、鍼を刺し入れたその場所の血流を促すのが局所への作用です。
しかし残念なことに、こと難聴に関しては鍼による局所への効果を期待できません。
内耳周辺に鍼の局所的な影響を及ぼすためには内耳付近に鍼を刺入することになりますが、頭蓋骨が邪魔になったり、鼓膜など内耳周辺が非常にデリケートな構造であったりするために、目標部位にまで鍼を届かせることができないのです。
このような場合、標的部位まで刺激が届く方法で鍼灸の効果を補完することとなります。
鍼灸だけでは難しい局所へのアプローチを補完するのが、直線偏光近赤外線治療機器(スーパーライザー)です。
スーパーライザー治療は患部局所の血流改善はもちろん、首の部分にある神経の塊(星状神経節)に照射することによる自律神経機能の改善や脳血流の改善にも役立つことが知られています。
突発性難聴治療に欠かすことのできないこの治療器を、弊院は三重県の鍼灸院としては初めて導入しました。(スーパーライザーPX,東京医研調べ)
じねん堂の突発性難聴治療は、週1回以上の頻度で5回を1クールとしています。
1クール終了毎に聴力を測定し、改善傾向にあれば症状が固定するまで治療を続けることになります。
聴力に大きな変化が無くとも、耳鳴りなどの随伴症状に変化がみられる場合は10回まで経過を観察します。
なお、測定には簡易的にAndroidのアプリ「聴力検査」を使用しています。あくまで参考値ではありますが、聴力の変化を知る助けにはなると思われます。
正確さを求められるのであれば、耳鼻科での聴力検査をおすすめします。
じねん堂で突発性難聴の鍼灸治療を行うようになった理由は、端的に申し上げて、“縁”と“使命感”からです。
もともと弊院は自律神経症状への鍼灸治療を専門的に行っていました。
やがて自律神経症状を訴える患者様の中から、実は妊娠を希望して不妊治療をしているというかたがちらほらと出てくるようになって、不妊に関する学習を本格化し、不妊鍼灸ネットワーク(現・生殖鍼灸標準化機関/JISRAM)の先生方と交流を持つようになります。
その中で出会ったのが、スーパーライザーを不妊鍼灸に応用する手法でした。
そしてあるとき、スーパーライザーの新たな活用法として、不妊鍼灸ネットワーク会長の中村一徳先生から、突発性難聴治療の方法をご指南いただく機会を得ることとなったのです。
京都の「なかむら第二針療所」にて行われた勉強会において、膨大な治験とデータ集積に裏付けられた根拠ある突発性難聴治療に触れ、幸運にも特別に中村先生からマンツーマンの手ほどきを受けました。
勉強会後も、自院での臨床のなかで良好な経過を示す事例を経験することになり…
三重県で突発性難聴に悩む皆様に、この治療法をスタンダードなものとして広めなければ!
こう強く感じ、難聴改善の鍼灸にも注力するようになったのです。
発症機序が解明されている病気、物理的に何かを取り除けば治癒する症状、そして外傷に対する効果なら、西洋医学に勝るものはありません。
現在の状態や治療後の状態を客観的に知るにも、西洋医学的な検査が欠かせません。
しかし心身の不調の中には、原因の良く分からないものも依然として多いのです。
一生のうちに国民の80%が自覚するといわれるほど一般的な病気である腰痛ですら、その85%が原因不明とされています。(Richard A. Deyo, James N. Weinstein.Low back pain. New England journal of medicine 2001;344:363–370 )
突発性難聴も、原因の良く分かっていない疾患のひとつであり、西洋医学的なアプローチは発展段階であるといえます。
そのようななか、精神的なストレスを軽減したり自律神経機能を高めたり、局所の血流を改善したりすることが有効であると分かってきました。
これらは鍼灸が得意とする分野です。
じねん堂では、西洋医学的な検査・物理療法・現代医学的な鍼灸術・東洋医学的な鍼灸術がそれぞれを補完しあう、統計学的にも有効性の示されている治療法を取り入れています。
私は「今すぐ!」とか、「今なら間に合う!」とか、不安をあおって宣伝することを好としません。
自律神経症状も、不妊も、鍼灸治療を受けるかどうかはじっくり検討していただけば良いと考えています。
しかし、突発性難聴だけは違います。
一日も早く、一刻も早く。治療を受けていただきたいのです。
改善の可能性を少しでも高くするために…。
鍼灸治療を検討中でしたら、迅速な決断を希望いたします。