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2015/06/11
心身の不調と笑顔と治療院の方針と
先日、患者さんから「先生は本当に笑いますね。」と、言われました。
“本当に”とは何のことでしょう。
その患者さんによれば、“度々”ではなくて“作り笑いではない”という意味だのこと。
聞くところによれば、居酒屋のような接客をする整体院だか整骨院だかでしんどい思いをなさったようです。
詳しい内容は割愛しますが、眼の笑っていない偽りの笑顔でポジティブの押し売りをされたといったところでしょうか。
それではしんどくなるのも無理のないことです。
頭痛やらめまいやら首の凝りやら吐き気やら、胃腸症状やらのぼせやら、一度にたくさんの訳の分からない症状(自律神経症状)に苛まれ、精神的に参っていて鬱々としている者が、いきなり騒々しい居酒屋に連れていかれて、「ほら、楽しんで。笑顔で!」って言われても楽しめるわけがない。
「意識高い系自己啓発マーケティング大好き治療院あるある」ですね。
もちろん、大抵の人は偽りの笑顔で接せられても気づかず楽しい気分になるでしょうし、それが身体に影響して症状が軽くなることもあるかもしれません。
そういった積極的な働きかけには、好ましい面がいくつもあるのです。
じねん堂とは病体に接する際の理念がずいぶん違いますが、そのことで件の施設を責めるつもりはありません。余所は余所、うちはうちなのですから。
でも、患者様の状態を弁えて、多少接し方を変えても良かったんじゃないかなとは思います。ほんの少しだけ。
「あなたの症状でそういうところへ掛るのは、結構な冒険だと思いますよ。」
「でも、口コミ良かったし。私にとっては鍼の方がよっぽど冒険やし。」
どうやら冒険が好きな方だったようです。