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2015/12/26

数字から紐解く、不妊の原因が冷えではない事実
不妊の原因は冷えではないのだ!

津市久居で不妊症・不育症の治療に注力中。鍼灸師の西出隆彦です。

 

前回は「冷えが不妊の原因」と主張する施術者たちが使っているトンデモ理論を紹介し、解剖学的な見地からそれを否定しました。(→嘘つきたちの手口

 

今回は医学文献等からデータを引用し、冷えと不妊の関係についてお示しできればと思います。

 

 

さて、後山(2005)によると、女性3,124人(産婦人科外来受診女性、15歳以上)への調査の結果、冷えの自覚があったのは全体の52.0%だったそうです。*1
 

不妊治療を受ける年代が含まれる40歳代前半までなら、30%未満とのこと。

 

冷えの自覚の割合

 

文献から引用し作成した図から推察すると、25~44歳で25%弱と読み取れます。

 

 

一方、不妊に悩むカップルが5組に1組と言われていることと、女性側の原因で不妊である割合が約50%であることから考えて、不妊女性の割合は、パートナーがいて妊娠を望んでいる女性全体の10%程度と考えられます

 

 

この倍以上の差はどこから生まれるのでしょうか?

 

冷えが不妊の原因というのであれば、不妊女性の割合がもっと高くなければならないでしょう。(卵管の癒着や子宮の奇形など、明らかに冷え以外の原因で不妊になる事例も勘案すればなおさらです)

 

 

答えは簡単。

 

 

不妊の原因が冷えではないからです。

 

 

とはいえ、不妊患者の多くが冷えで悩んでいるということもまた事実。

 

じねん堂では、不妊に対する鍼灸治療を受けていただいている方の約90%に冷えの自覚があります。

 

これは不妊と冷えにおける、もうひとつの関係を示唆しています。

 

 

それは、冷えの原因と不妊の原因に共通したものがあるということ。

 

 

冷えは不妊の原因ではないですが、並行して存在する“無視できない”問題のひとつとして、改善に取り組む必要があると私は考えています。

 

 

 

【参考】

後山尚久: 冷え症の病態の臨床的解析と対応―冷え症は いかなる病態か,そして治療できるのか. 医学の歩み, 2005: 215(11): 925-929