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2015/11/06

不育症(反復・習慣流産)と鍼灸治療
津市で不妊症・不育症の鍼灸治療

三重県津市で不妊症への鍼灸治療に注力している当院には、いわゆる不育症でお悩みの方からの問い合わせも少なくありません。

 

今回は不育症と鍼灸治療について、何点かお示しできればと思います。

 

 

■目次

1.不育症とは

2.共通のリスク

3.もうひとつのリスク

4.鍼灸ができること

 

 

1.不育症とは

 

いわゆる「不育症」は、幾つかの病態が含まれた診断名です。

 

厚生労働科学研究班(齋藤班) では、「妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1 週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」と、定義しています。

 

つまり…

 

 

1.反復流産(流産を2 回以上繰り返したもの)
 

2.習慣流産(流産を3 回以上繰り返したもの)
 

3.死産・早期新生児死亡を繰り返す場合

 

 

これら3つをあわせて「不育症」とされているのです。

 

 

2.共通のリスク

 

流産・死産・新生児死亡の約半数に幾つかの“共通のリスク因子”を認めることがあるそうです。(早期新生児死亡を繰り返す場合は、一般的な不育症のリスク因子以外の要因で生じていることも。)

 

その“共通のリスク”因子には次のようなものがあります。

 

 

1.夫婦染色体異常
 

2.子宮形態異常
 

3.内分泌異常(甲状腺機能の異常や糖尿病)
 

4.凝固異常(血液が固まりやすい)

 

 

一方、厚生労働科学研究班(齋藤班)による調査では、詳しく調べてもリスク因子が分からない場合が65.3%あったそうです。

 

その多くは、偶発的な胎児の染色体異常を繰り返したものと考えられています。

 

 

3.もうひとつのリスク

 

また、これらのリスク因子とは別に、母体の高年齢は流産のリスクを高めると考えられています。

 

流産は、妊娠の10~20%の頻度で起こる妊娠最大の合併症と言われていますが、この数値は全年齢の平均値。

 

流産の頻度は女性の加齢とともに増加し、40 歳代の流産が50%という報告もあります。

 

それは、卵巣内の卵子の総数が出生時以上に増えることが無く、さらに加齢に伴って染色体異常などを起こしやすくなるからに他なりません。

 

いわゆる卵子の老化です。

 

 

4.鍼灸ができること

 

このようないわゆる不育症に対して、鍼灸ができることはそれほど多くありません(もちろん整体をはじめとしたあらゆる手技療法もです)。

 

夫婦の染色体異常や子宮の形態異常、血液凝固因子の異常を改善することは不可能です。

 

内分泌異常に関しては、そのものに対する治療報告はあるものの、不育症がらみのものはデータがありません。消極的な適応としたいところです。

 

他方、リスク因子が分からないものや、母体の高年齢化による機能的な問題に関しては、鍼灸によって不育症が改善されると思われるデータや経験が多数存在します。

 

弊院が行う董氏楊氏奇穴という手法の中にも流産を繰り返す場合に使うツボとその組み合わせが存在し、タイミングを取った後や胚移植後の鍼灸治療で積極的に利用しています。

 

不育症に対する鍼灸の適応例として、これらのデータが今後さらに増えることを期待し、弊院も微力ながら貢献したいと考える次第です。