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2017/03/31

自律神経症状「改善率93%」は極端に高い数値か?
自律神経失調症

表題は弊院ホームページトップの“スライドショー”で掲げている数字です。

「自律神経症状に対する鍼灸治療に自信があります!」というアピールですね。

しかしこの数字。高すぎるのではないかという疑問を投げかけられることもあります。

他所と比べる方法が思いつかないので弊院が特にどうこうとは言えないのですが、数字を出した時の条件ならお示しできますので、参考にしていただければ幸いです。

 

さて、改善率は…

 

 

週1回1クール(2か月)以上治療を継続した45例

 

無効:全く症状に変化が無いか、むしろ悪化している

やや有効:一つ以上の症状が「ちょっとマシ。」「楽になった気がする。」

有効:一つ以上の症状が「時々気になるけど、前より大分楽。」

著効:一つ以上の症状が「ほとんど気になりません。」

 

「やや有効」以上を改善とする

 

 

このような条件で算出しました。

 

改善の目安を「有効」以上にすれば、幾分低い数値となるでしょう。

また、「1クールで大抵の人は何らかの改善がある。症状が動かなかったら治療の中止を提案する。」という、施術期間のめやすを設定していなかった頃の症例も含まれていますので、1クールを終了するまでにドロップアウトしたり、逆に効果が無くても1クールを超えて継続したりといった事例が現在よりも多かった印象です。2クール目でようやく症状に変化が出てきて、3クールを経て「有効」に漕ぎつけた事例もありましたが、私は例外と考えています。

 

「一つ以上の症状」という文言に引っかかるかたもあるかもしれません。

自律神経症状を訴えて来院されるかたは大抵、複数の症状をお持ちです。例えば、めまい・耳鳴り・動悸・吐き気・頭痛・不眠の症状を抱えているとか。

ではこの種の患者に鍼灸治療をしたら、他の症状には変化がなくて不眠だけが劇的に改善することがあるのかというと、ほぼ無いと言えます。めまいや耳鳴り、頭痛が残存したままでは、ぐっすり眠ることなどとてもできないでしょう。

大抵はいくつかの症状が同時あるいは少しの時間差をもって改善していくものです。

 

「2か月以上も続けられるのは、何らかの効果を実感しているから。そうでない者は早々にドロップアウトしている。」

 

これが実際のところだと思います。93%といっても、極端に高い数値ではないわけです。

 

現在は施術期間のめやすを必ずお話ししていますので、ドロップアウトは少なくなっています。継続すれば効果が出てくるであろう患者様を引き留めることができる反面、効果の出ない患者様も同様に引き留めてしまうこととなります。

これが改善率にどのような影響を及ぼしているか。

 

再度数字を出す必要を感じています。