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不妊の原因は冷えではありません ― 嘘つきたちの手口 ―

2015/12/25
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不妊症・不育症への鍼灸治療に注力中。鍼灸師の西出隆彦です。

 

昨今我々の業界では不妊症・不育症をターゲットにした治療というのがちょっとした流行になっておりまして、鍼灸・整体・柔道整復を問わず、『不妊治療はドル箱。取り入れたら儲かりまっせ!』という雰囲気丸出しのセミナーやらノウハウDVDやらが売り出されています。
そのことに対して強い嫌悪感を示す“善良な”施術者もたくさんみえるわけですが、私は彼らとは少し考え方が違います。

 

「ドル箱」と思って治療することをそれほど悪いことだとは思っていないのです。

 

ただし、ドル箱を獲得するためには高品位なものを提供し続けなければなりません。それに耐えうる技術や知識を獲得し、生じる責任の重さを自覚することが大前提となります。ここは強調しておきたいです。

 

それよりも私が問題視しているのは、「善良な振りをして患者を脅す者たち」の存在です。故意なのか、無知からくるものなのかは分かりかねますが、不妊鍼灸界隈では散見されることです。

 

代表的なのは冷えの問題でしょう。

 

彼らは不妊の原因が冷えだと嘘をつくのです。

 

そして…、

 

「不妊症なんです」と来院される患者様のお腹や足を触るとキンキンに冷えている方がとても多いのです。(中略)
末端(足)で冷やされた血液は心臓に帰るために、骨盤や腰を通って心臓を目指します。ということは常に冷たい血液が子宮を直撃しているのです。
この状態は、子宮が冷蔵庫の中にあるのと同じイメージなのです。冷えた冷蔵庫の中では、赤ちゃんも寒すぎて、とても40週もとどまっていられません。結果として子宮から去る結果に・・悲しいことです。

 

と、謎理論で脅すわけです。
冷えを自覚している不妊症の女性は気が気ではなくなるでしょう。

 

「私は冷えているから赤ちゃんができないんだ。この冷えを何とかしなければ!!」と。

 

そこに…、

 

はりきゅうは身体全体のエネルギーを高め、冷えた身体を温かく保ちます。

 

と、鍼灸が唯一の救いの手であるかのように追い打ちをかけて受療を促す。

これが彼らの手口なのです。

 

どうか騙されないでください。

 

この理論だと、足の冷えが最初に独立して存在していることになります。
足を保温しておけば妊娠出来てしまうではありませんか。

 

鍼も何も関係ない。

 

さらに、“末端(足)で冷やされた血液は心臓に帰る”ので“常に冷たい血液が子宮を直撃している”と述べていますが、それならば逆に、心臓から送り出された暖かかい血液も、足に至る前に子宮を直撃しているのではないでしょうか。にもかかわらず骨盤内が冷え続けてしまうというのであれば、妊娠を維持するどころか、母体の生命維持もままならなくなってしまいますよ。

 

そもそも、足から心臓に戻る血液は子宮を直撃しません

 

確かに足から戻ってくる血管は骨盤内を通りますが(外腸骨静脈・総腸骨静脈)、子宮には子宮を取りまく独自の動脈と静脈が存在し、足から戻ってくる血液との直接的な交流はないのです。

 

足が冷えていると妊娠できないという理論は解剖学的に全くの出鱈目。トンデモ理論も甚だしい!

 

 

「ドル箱」を獲得するために技術と知識を磨く者と、善良な振りをして「言葉遊び」程度のトンデモ理論で患者を脅す者。
はたして、どちらが信頼するに足る施術者でしょう。

 

 

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じねん堂鍼灸療院

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